ストレスチェックの罰則:実施できない・遅れた場合はどうなる?

生徒01

ストレスチェックって、やらないとどうなるの?

先生01

今のところ、やらなくても罰はないのでごサル。

生徒03

マジでー?!
じゃあさ、みんな絶対やらないよね?

俺が社長なら100パーやらない(キリッ)

先生03

お前ならそう言うと思ったでごサル。

先生01

ストレスチェックを受けなさいという社員が50人以上いる会社は、必ずやりなさいと決められているのでごサル。

生徒02

ウキッ?
やらなくてもいいんでしょ?罰金とか逮捕とかないんでしょ?
なのに『必ずやりなさい』って…意味わかんねー!

先生01

うむうむ。
ここはちょっと国の言い方が良くないのでごサル。

やらなくてもいいけれど、やった結果は報告しなければいけないのでごサル。
要するに、報告するためにはやらなければいけない⇒結局やりなさいといっているのと同じでごサル。

生徒01

なぁーんだ…
そういうことかよ。ハッキリ言えよ!

先生01

そこはお前にまるっと同意でごサル。

生徒01

ウッキウキー!(嬉)
先生に同意いただきましたー!

で、結果の報告はどちらに?

先生01

労働基準監督署という会社を取り締まる警察のようなものがあるのでごサル。
そこへ報告書を出すのでごサル。

生徒03

会社を取り締まる警察か…
そんなところに報告しなきゃいけないなら、やらなきゃいけないのも納得だよね。

実施しなかった場合の罰則

ストレスチェック制度は、各事業場に常時50人以上の従業員を使用している場合に義務づけられています。
しかし、制度自体を実施しなかったからといって、現在のところ実施しなかったこと自体については罰則はありません。

企業はストレスチェックを法律(改正労働安全衛生法)が定める従業員に実施し、結果をもとに希望者に産業医による面接指導を実施します。
そして結果を、労働基準監督署へ報告しなければなりません。
この報告をしなかった場合に罰則が科せられています。
罰則
よって報告するまでを企業が制度化していかないといけないのですが、いくらストレスチェックを実施したと言っても、労働基準監督署への報告を忘れたり怠ったということであれば罰則があります。

罰則の対象となるのは?

罰則の対象

労働基準監督署への報告をしていない

労働安全衛生法第100条によって定められており、「心理的な負担を把握するための検査結果等報告書」という届けを書面で提出しなければいけません。
この報告は、企業単位で行うのではなく、事業場ごとの報告が義務づけられています。

労働安全衛生法第100条に違反した場合は、罰則規定により、50万以下の罰金に処せられることになります。
(常時使用する従業員が50人未満の事業場では、報告義務はありません)

情報の保存を怠った

衛生委員会での調査審議の実施と結果、ストレスチェックに関する個人情報などの保存をしていなかった場合も、罰則の対象となりますので注意が必要です。

実施しなかったことで、従業員がメンタル不調に陥った

会社は実施義務を果たしていないことで事業者の安全配慮義務違反となりますので、損害賠償や労災認定など事業者が責任をとらなければいけないということもあります。

2016年11月までに間に合わない場合

2016年11月に間に合わない場合
実施義務のある企業や事業場は、第1回目のストレスチェックを2016年11月30日までに必ず実施しなければいけません。
実施が間に合わない場合は、労働基準監督署への報告義務である「「心理的な負担を把握するための検査結果等報告書」を提出することができません。
そうなると、間に合わなかったではすまされません。

きちんと実施されるよう労働基準監督署が目を光らせていますから、是正勧告や指導を受ける対象となるばかりではなく、制度の罰則規定に該当する可能性が出てきます。

ストレスチェックの実施が間に合わなかったことで、労働安全衛生法第100条等の種々の罰則規定に違反していると判断された場合には、罰則の対象となります。
間に合わないということにならないように、前もって早め早めにストレスチェック制度の導入と準備をしていくことが必要です。